2006〜2009年度「東京大学公開講座「特異」」
特異における多様性-法・経済・宗教-

特異点なき宗教としてのイスラーム
仏教やキリスト教と比べた場合のイスラームの大きな特徴として、聖職者や教会制度を持たないということが挙げられる。なぜイスラームには特異な空間も制度もないのか、解説を試みる。
特異に挑戦する-疾患治療と創薬-

医薬品の三次元構造-特異的生物活性-
大きな社会問題となったサリドマイドや、新型インフルエンザに対抗する医薬品として注目を集めるタミフルには、左手物質と右手物質が存在します。その理由、および左手物質あるいは右手物質のみを合成する方法について議論します。

薬の効果と副作用-個特異的医療の推進-
互いに良く似ていても個人はそれぞれに違うところがあり、これは薬の効果や副作用発現にも当てはまります。新しい「医者の匙加減」と言われる個人特異的な医療の目指す方向を、薬効と副作用について議論します。
宇宙と地球の特異点

宇宙の特異点、ビッグバンとブラックホール
宇宙は137億年前ビッグバンで始まり膨張して冷え続けて来たが、今わかっている物理法則ではビッグバンそのものはエネルギーが無限大の「特異点」となり、取り扱うことができない。宇宙の進化から特異点の解消の研究の最先端を解説する。
人間の不思議と魅力-特異を追い求める-

仲間外れ、天才に挑む: 土井不曇の反相対論
土井不曇がアルベルト・アインシュタイン来日時に反論を行った行為は、周囲に大きな波紋を呼んだ。土井と彼の周辺の人々の動向を分析することで、第一次大戦中直後の日本の科学界の特異性を明らかにしたい。