概要
現代社会の問題として、「大人になることの難しさ」がある。豊かな社会、多様な価値観を許容する社会の出現によって、共通の目標が喪失したこと、共通の大人のモデルが見つけにくくなったこと、大人と大人以前の境界があいまいになったことなどが原因の一端と考えられる。社会・経済の成長・発展(デベロップメント)と個人の成長・発達(デベロップメント)との予定調和を前提できた時代が終わりを告げようとしている。この講義では、社会・経済の変化、教育改革といった、マクロな変化に着目しつつ、大人になることの難しい社会がどうして出現したのかの解明をめざす。
講師紹介

苅谷 剛彦
教育学研究科
学歴 | |
1979年 | 東京大学教育学部教育学科(教育社会学コース)卒業 |
1981年 | 東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(教育社会学専攻)、教育学修士 |
1987年 | 東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(教育社会学専攻) |
1988年 | ノースウェスタン大学大学院修了 Ph.D.(社会学) |
職歴 | |
1986年 | ノースウェスタン大学都市問題・都市政策研究所研究助手 |
1988年 | 放送教育開発センター研究開発部助手 |
1988年 | 放送教育開発センター研究開発部助教授 |
1989年 | ノースウェスタン大学教育学大学院客員講師 |
1991年 | 東京大学教育学部講師 |
1992年 | ウォーリック大学教育開発評価研究センター客員研究員 |
1993年 | 東京大学教育学部助教授 |
1995年 | 東京大学大学院教育学研究科助教授 |
1997年 | ノースウェスタン大学政策研究所客員研究員(安倍フェロー) |
2000年 | 東京大学大学院教育学研究科教授 |
2005年 | オックスフォード大学セントアントニーズカレッジ・ニッサンインスティテュート・客員研究員 |
研究テーマ |
大衆教育社会論、教育から職業への移行の研究 |
教育改革の社会学 |
社会移動・社会階層 |
最近の主な著書 | ||
『格差社会と教育改革』(共著) | 岩波書店 | 2008年 |
『階層化する日本と教育危機』 | 有信党 | 2001年 |
『教育の世紀』 | 弘文党 | 2004年 |
『大衆教育社会のゆくえ』 |
中公新書 | 1995年 |
HP (ホームページ) |
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