概要
近代的な国勢調査(センサス)による広域の人口調査が始まるのは、18世紀の欧米においてである。しかし、歴史研究によって、中世末からのヨーロッパの人口動態が明らかにされている。これによると「大航海」や宗教改革の時代にヨーロッパの人口が 増え、経済も好況であったが、17世紀に入ると人口は停滞し、不況に見舞われた。戦争や疫病もつづいた。この人口停滞の17世紀が歴史的に占める位置は重要で、この前と後では世界史のプレーヤーが交替した。停滞期に何をするかということが、後の国民の運命を決めたのである。ユーラシアや日本も含めて、人口動態と歴史の変動について考えてみよう。
キーワード:西洋史 人口停滞期 国富 国民
講師紹介

近藤 和彦
人文社会系研究科
学歴 | |
昭和41年 | 千葉高等学校卒業 |
昭和41年-昭和49年 | 東京大学教養学部・文学部、同大学院人文科学研究科に在学 |
職歴 | |
昭和49年-昭和52年 | 東京大学文学部の助手(西洋史学研究室) |
昭和52年-昭和63年 | 名古屋大学文学部の講師・助教授 |
昭和63年-平成7年 | 東京大学文学部助教授・教授など |
平成7年 | 東京大学大学院 人文社会系研究科 ・教授(西洋史学講座) |
この間 | |
昭和55年-昭和57年 | ケインブリッジ大学大学院(Churchill College) |
昭和60年 | マンチェスタ大学(Department of History) 客員研究員 |
平成6年-平成7年 | ロンドン大学(University College London) 客員教授 |
平成15年-平成16年 | オクスフォード大学 リナカ学寮(Linacre College) Senior Member |
専門 |
西洋史学 |