概要
人は森を「緑のダム」と呼ぶ。川の流れを人の都合に合わせて調節してくれるダムと同じような機能を、森も持っているに違いないと多くの人が期待している。だが水と森は地球上に人類が出現するよりも前から相互に「作用」していた。森の水に対する「作用」は本当に人間にとって都合がよい「機能」なのか、東京大学愛知演習林における80年間に及ぶ長期研究をもとに、歴史的、科学的、社会経済的な観点から総合的に検証し、将来を展望する。
講師紹介

蔵治 光一郎
農学生命科学研究科
学歴 | |
1989年 | 東京大学農学部林学科卒業 |
1992年 | 東京大学大学院農学生命科学研究科林学専攻修士課程修了 |
1997年 | 東京大学大学院農学生命科学研究科森林科学専攻博士課程修了 |
職歴 | |
1991年 | マレイシア国サバ州森林局森林研究所研究員 |
1995年 | 日本学術振興会特別研究員 |
1996年 | 東京大学農学部附属演習林助手 |
1998年 | 東京工業大学大学院総合理工学研究科環境理工学創造専攻講師 |
2001年 | 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林講師 |
2010年 | 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林准教授 |
研究テーマ |
森林の水循環、森と水と人間との関係(歴史、科学、制度、経済、社会)、緑のダム論、流域圏の総合的管理論、熱帯雨林の生態と環境 |
最近の主な著書 |
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『水をめぐるガバナンス-日本、アジア、中東、ヨーロッパの現場から』
(蔵治 光一郎編) |
東信堂 | 2008年 |
『緑のダム-森林、河川、水循環、防災』
(蔵治 光一郎・保屋野初子編) |
築地書館 | 2004年 |
『森の健康診断-100円グッズで始める市民と研究者の愉快な森林調査』
(蔵治 光一郎・洲崎燈子・丹羽健二編) |
築地書館 | 2006年 |
HP (ホームページ) |
http://www.uf.a.u-tokyo.ac.jp/~kuraji/ |