概要
われわれの世界は不安定性で予測不能です。だからその代表例であるカオス(chaos)は目の敵にされがちですが、実はこのカオスが生命の基本的な性質である「恒常性」(ホメオスタシス=バランス)に役立っているのです。しかし生命のホメオスタシスは単に「同じものを一定に保つ」のではなく、多様性を作り出す源になっているのです。そこが温度を一定に保とうとする電化製品のサーモスタットとの違いです。当日は、一見矛盾するカオスとバランス、その進化へのつながりを一緒に考えたいと思います。
講師紹介

池上 高志
総合文化研究科
学歴 | |
1984年 | 東京大学理学部物理学科卒業 |
1989年 | 東京大学大学院理学系研究科物理学修了 理学博士 |
職歴 | |
1989-90年 |
日本学術振興会特別研究員(PD)
京都大学基礎物理学研究所 |
1989年 | アメリカ・LosAlamos 国立研究所visiting fellow |
1990年 | 神戸大学自然科学研究科助手 |
1994年 | 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻助教授 |
1994年 | オランダ・Utrecht 大学理論生物学・招聘研究員 |
1998年 | フランス・Sony Computer Science 研究所・招聘研究員 |
2002年 | スイス・EPFL(スイス工科大学)・特別招聘研究員 |
研究テーマ |
生命と認知の連続性について |
最近の主な著書 |
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「動きが生命をつくる」 | 青土社 | 2007年 |
HP (ホームページ) |
http://sacral.c.u-tokyo.ac.jp/ |