概要
うつや不安といった心理病理は、不適応と適応の両面があり、そのバランスをとることが大切です。うつには、うつ病という不適応の面と、休息をとったり物事の見方を現実的にしたりといった適応の面があります。不安にも、不安障害という不適応面と、危険を避け行動が慎重になるという適応的な面があります。こう考えると、心理病理を除去してしまうのではなく、心理病理をコントロールしながら共存していければよいわけです。こうした立場に近い心理療法が「認知行動療法」です。
講師紹介

丹野 義彦
総合文化研究科
学歴 | |
1978年 | 東京大学文学部心理学科卒業 |
1981年 | 東京大学大学院人文科学研究科修了 |
1985年 | 群馬大学大学院医学系研究科博士課程修了 |
職歴 | |
1991年 | 東京大学大学院総合文化研究科助教授 |
2006年 | 東京大学大学院総合文化研究科教授 |
研究テーマ |
不安、抑うつ、統合失調症傾向などを対象とした発生メカニズム・予防・治療についての臨床心理学研究 |
最近の主な著書 |
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講座 臨床心理学(全6巻) | 東京大学出版会 | 2001-02年 |
エビデンス臨床心理学 | 日本評論社 | 2001年 |
性格の心理 | サイエンス社 | 2002年 |
16歳からの東大冒険講座3
文学/脳と心/数理 |
培風館 | 2005年 |
妄想はどのようにして立ち上がるか | ミネルヴァ書房 | 2006年 |
認知行動アプローチと臨床心理学 | 金剛出版 | 2006年 |
HP (ホームページ) |
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/tanno/ |