概要
近年の乳児研究では、人間の赤ちゃんが非常に初期から「ヒト」とそうでないものを区別する能力を持っていることが示されつつある。さて、赤ちゃんが生まれて初めてロボットと対峙したとしよう。彼らは、目の前にいるロボットを「機械」とみなすのか、あるいは、「生き物」と見なすのか? この問いは、認知科学者にとっても、ロボット設計者にとっても魅力的なものである。本講演では、我々がこれまで行ってきた、乳児における人工物認知に関する研究を踏まえて、「物」と「者」の狭間にある「ロボット」の可能性について展望する。
講師紹介

開 一夫
情報学環/総合文化研究科
学歴 | |
1991年 | 慶應義塾大学大学院理工学研究科計算機科学専攻終了 (工学博士) |
職歴 | |
1993年 | (旧)通産省工業技術院電子技術総合研究所 |
2000年 | 東京大学大学院総合文化研究科 助教授 |
研究テーマ | |
発達認知神経科学 | |
認知科学 |
最近の主な著書 | ||
「乳児の世界」(監訳) | ミネルバ書房 | 2004年 |
「日曜ピアジェ 赤ちゃん学のすすめ |
岩波書店 | 2006年 |
「知能の謎ー認知発達ロボティクスの挑戦」(共著) | 講談社 | 2004年 |
「イメージと認知」(共著) | 岩波書店 | 2001年 |
ホームページ |
http://ardbeg.c.u-tokyo.ac.jp |