概要
人間は太古の昔から、ロボットのような人工的な生命体を作ろうとしてきた。しかしこれらの「人造人間」には、たとえば早死にした私生児そっくりの人形を持ち運んでいると噂されたデカルトのように、不気味さといかがわしさと、ある種のあこがれが常につきまとう。これは現代のロボットに対しても、まったく同じである。なぜ人は、みずからと似たものを、このようにおぞましく思うのか?そのような感性を持ったまま、ロボットとの共生社会は実現できるのか?過去の事例や文学作品を参照しながら、ロボットと人間社会の関係を考えます。
講師紹介

佐倉 統
情報学環
学歴 | |
1960年 | 東京生れ |
1990年 | 京都大学大学院理学研究科博士課程修了(1992年理学博士) |
職歴 | |
1990年 | 三菱化成生命科学研究所 |
1993年 | 横浜国立大学経営学部助教授 |
1995~ 1996年 |
フライブルク大学情報社会研究所 |
2000年 | 東京大学大学院情報学環助教授 |
専門 |
専攻は進化生物学だが、最近は科学史から先端科学技術論まで手を広げて、何が専門なんだかよくわか らない状態。とりあえずは長い長い人類進化の観点から人間の科学技術を定位するというのが根本の興味といえる。現在はその第一歩として,人間の知識のダイ ナミクスを生命現象とのアナロジーで記述することに興味を持っている。そうすると、はたして科学の知識と哲学や宗教による知識や価値観と、どこまで両立で きるのかという問題にぶつかり、日々悩んでいる。この苦悩は、以下の著書などに多いに反映されている、はず。 |