授業について
インド洋西南海域に位置する島、マダガスカルにおいては、死後、親族が共有する集合墓に埋葬されることは、その人がたんなる死者ではなく、「祖先」として社会的に位置づけられることと結びついています。だから、死者を看取った遺族のつとめは、その死者を親族の集合墓に埋葬してやることなのです。しかし、さまざまな事情で、遺体をすぐに集合墓に埋葬できないことがあります。そのとき、マダガスカルの人々は死者とどう向き合うのでしょう。とりわけ、集合墓に埋葬するべきこの遺体と、人々はどう向き合うのでしょう。これらを手がかりに、人々の死生観と、そこにおける骨の意味を探ってゆきます。
今回のテーマを深めたい人のための参考文献
森山工『墓を生きる人々−マダガスカル、シハナカにおける社会的実践』(東京大学出版会、1996年)
森山工「移葬の政治学−タナナナリヴ、一九三八年の〈ファマディハナ〉」
(『社会人類学年報』30号、東京都立大学社会人類学会、2004年)
森山工「マダガスカルを歴史化する−〈祖先の島〉としてのマダガスカル再論」
(『SERASERA』20 号、マダガスカル研究懇談会、2009年) |