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授業について
社会のいろいろな分野で、過度に単純化された言説がもてはやされ、さまざまな要素に配慮した判断が軽視される傾向があります。バランス感覚の後退と言ってよいでしょう。一方、周囲を見渡してみると、身体の不調や不安定な心に悩んでいる仲間が少なくありません。悩みはバランスの失調から来ていることが多いようです。絵画や建築物のような人間の創り出す作品についても、しばしばバランスの美しさが高く評価されます。あるいは、人間の活動による自然生態系の撹乱も、回復能力を超えたバランスの破壊という見地から問題視されています。
バランスは、個としての人間、集団としての社会、人間の創造物、人類を取り巻く環境のいずれの領域においても、大切な役割を果たしています。けれども、そもそもバランスとはいったい何を意味するのでしょうか。それぞれの文脈で使われているバランスは、単一の概念のもとに括れるものでしょうか。今回の公開講座では、さまざまな切り口からバランスの本質に迫ってみたいと思います。
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