| 授業について
地球環境と食料問題は21世紀の私たちに課せられた大きな課題である。イワシやアジのような大衆魚は海で最も多い魚である。自然の恵みを将来にわたって持続的に利用するためには海の生態系における魚類生産の理解が不可欠である。 日本近海の浮魚資源は長期的に資源量を大きく増減させるが、潜在的には高い自然の生産力を持っている。多獲性種を群集としてみると、減る資源があれば必ず一方で増える資源がある。長期的な増減を直接人間が操作することはできないが、その変化への対処は可能であり、それが重要である。因みに北太平洋の鯨類は主要餌生物を1970年代はマサバ、1980年代はマイワシ、その後はサンマ、カタクチイワシと変えている。鯨類は魚種交替という餌環境の変化に見事に対応して生きている。資源量が大きいときには十分に漁獲が可能であるが、資源量が小さいときには、その魚種にとって環境が悪くなっているのであるから、漁獲がそれに追い打ちをかけないように注意すべきだろう。そして一方で交替して増えた魚を獲ればいいことになる。現状では魚種によって利用の方法や市場価値が異なることも事実であるが、人間の持つ知恵を絞る必要がある。これが長い将来にわたって持続的な資源の利用と漁業の発展を可能にする。 |