人間の不思議と魅力-特異を追い求める-

仲間外れ、天才に挑む: 土井不曇の反相対論

概要

アルベルト・アインシュタインは、1922年の来日の際、熱狂的な歓迎を受けている。この熱狂の中、第一高等学校で教鞭をとっていた土井不曇は、かねてから準備した反相対論の議論を練り上げ、東京帝国大学での講演の際にアインシュタインに質問を行った。大学・大学院で土井の指導教官であった長岡半太郎は、来日する天才物理学者への反論を「国辱」とさえ表現し、土井周辺の人々も土井の無謀に見える企てを阻止しようと努めた。世界的に見れば、土井の反論は珍しいものではなかったが、土井が質問を決意した経緯や、土井周辺の人々の反応は、当時の日本の知識層が置かれた特異な状況をよく反映している。土井と彼の周辺の人々の動向を分析することで、第一次大戦中直後の日本の科学界の特異性を明らかにしたい。

 

講義実施日:
2009年4月18日
対象:
一般
分野:
理学/自然科学

講師紹介

岡本 拓司

総合文化研究科
 


学歴
1989年 東京大学理学部物理学科卒業
1994年 東京大学大学院理学系研究科科学史・科学基礎論専攻単位取得退学
2004年 博士(学術)を東京大学大学院総合文化研究科より取得

職歴
1994年 新潟大学人文学部助手
1994年 ハーヴァード大学特別研究生(フルブライト奨学金による)
1997年 東京大学大学院総合文化研究科講師
2005年 東京大学大学院総合文化研究科准教授

研究テーマ
19世紀半ば以降の科学史・技術史・高等教育史

最近の主な著書
『はじめて読む物理学の歴史』(共著) ベレ出版 2007年

HP (ホームページ)
http://hps.c.u-tokyo.ac.jp/staff/_data/okamoto_takuji/index.php

講義資料