生命現象に見る特異の面白さ

開講の挨拶

プレイリスト

概要

「特異」という言葉から、皆様はどのようなことを思いつくでしょうか。何か特殊なことばかりで自分自身にそれほど直接に関係がないことだと感じるかも知れません。しかし、この言葉があてはまる事象が、思った以上に多く観察されているのです。たとえば、太陽系の惑星の中で唯一、地球においてのみ生物が存在しているらしいことはそれにあたります。地球に特異的に生物が存在する、と表現されます。身の回りにも多くの「特異」が存在します。その典型的なものとして、特異体質は一般的にはごく限られた人数の人が、ある薬物や食物を摂取した時にアレルギーやショックなど強い有害反応が現れる体質のことを指しています。原因がまだ完全に分かっておらず、医療上解決すべき大変重要な問題になっています。以上に述べたものは少数の「特異」の実例ですが、このような特異的な事象が起こる原因を探ることは、自然科学において極めて興味深い研究課題であり続けてきました。 自然科学的事象のみならず、社会科学的事象においても「特異」ということがしばしば焦点になります。人々の通常の想定範囲を越えるような特異な才能を持つ人は、なにがしの天才と呼ばれます。天才とはどんな人達なのか、どのようにして育ってきたのか、いつも何を考えているのか、強く興味を惹かれるところです。芸術、法律、宗教、経済にも様々な「特異」現象を見ることができます。これらは、それぞれの分野で特別の関心と分析の対象となってきました。 ある限られた条件の下で特別な事象が起こることを「特異」と呼ぶことができると思います。その条件や原因を調べることは大変興味深く、また、一般的な法則の理解にも役立つと考えられます。この公開講座では、色々な分野における「特異」現象をあぶり出し、その魅力や危険について様々な角度から考えてみたいと思います。

講師紹介

濱田 純一

東京大学 総長
 


学歴
1972年 東京大学法学部第二類(公法コース) 卒業
1974年 東京大学大学院法学政治学研究科公法専門課程修士課程 修了
1978年 東京大学大学院法学政治学研究科公法専門課程博士課程 単位取得退学
1980年 博士(法学)取得(東京大学)

職歴
1978年 東京大学新聞研究所助手
1981年 東京大学新聞研究所助教授
1989年 東京大学総長補佐
1992年 東京大学新聞研究所教授
1992年 東京大学社会情報研究所教授
1995年 東京大学社会情報研究所長、東京大学評議員
2000年 東京大学大学院情報学環教授
東京大学大学院情報学環長、学際情報学府長
2005年 国立大学法人東京大学理事、副学長
2009年 東京大学総長

研究テーマ
情報法
情報政策
社会情報学

最近の主な著書
『情報学事典』(共編著) 弘文堂 2002年
Wettbewerb und Vermachtung in der Informationsgesellshaft, in: Hrsg. v. Kitagawa,Murakami,Noerr,Oppermann,Shiono, “Regulierung Deregulierung Liberalisierung” Mohr Siebeck 2001年
「社会情報学とは何か」
(廣井脩編『社会情報学Ⅰ』所収)
東京大学出版会 1999年

HP (ホームページ)
http://www.u-tokyo.ac.jp/gen01/b01_01_j.html

講義資料